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人物紹介:倉辻 悠平(くらつじ ゆうへい)
NPO法人PALETTEの代表。フィリピン貧困地区出身の若者向けの就労支援「ロールモデル輩出プロジェクト」、日本人若者向けフィリピン留学事業「PALETTE SCHOOL」を運営。
フィリピン留学、海外インターンなど特に国際協力やソーシャルビジネス系キャリアを志望している方と年間100人くらいご相談を受けています。
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お会いしてお話をする方の中には、
・将来、国際協力を仕事にしたいというビジョンがある。
・けど、英語すら話せない。語学留学を検討している。
・実際に国際協力の現場で長期滞在したい。
という、国際協力系キャリアを志向している方がいらっしゃいます。
「でも、自分にできるんだろうか…」
「休学や留学を検討してるけど、実際どうなんだろう。」
「帰国後、実際にはどんなキャリアを歩んでるの?」
などの不安を持つ方が多くいらっしゃいます。
そこで今回お話をお伺いしたのがこの方!
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藤田一輝(ふじた かずき) 立命館大学4年生
・高校の修学旅行でタイへ渡航したことをきっかけに国際協力に関心を持つ
・大学では国際協力団体IROHAに所属し、副代表など精力的に活動
・2016年4月より休学し、PALETTE SCHOOLに6ヶ月フィリピン留学
・2018年4月より株式会社ボーダレス・ジャパン入社予定
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自分の「キャリア仮説の検証」という休学
-そもそもどうしてまた休学を?
就活がはじまったとき、「このままやったら、自分はやばい。」と直感的に思ったからですね笑
というのも、目標が不明確だったんです。
大学時代、ずっとカンボジアの教育支援を行う国際協力団体IROHAという団体で活動してまして、ぼんやりと国際協力で食べていけたらいいなぁ、なんてことは思っていました。
でも、その道で進んでいくだけの自信もなければ、覚悟もない。はたまた、企業で働くということにしても、全くイメージが湧いてこない。
このまま就活をしても、流されるだけ流されて、どこにも行き着けないんじゃないか、とそのときは不安に思っていました。
明確ではないものの当時持っていた「将来自分は国際協力でやっていきたい」というキャリア仮説みたいなものを検証する目的で、休学や留学を検討するようになりました。
-いざ休学しよう!と決めたとき、何か障害はなかったですか?
休学するって言い出したとき、親が猛反対だったことですね笑。
特におとん。
「ぼやっとやけどゆくゆくはNGO、JICAとか国際協力系のキャリアに興味がある。このまま就活しても上手くいく気がしないから、休学とか留学を考えてる。」って言ったら、
「お前ふざけんなよ。生きてけへんぞ。今実家暮らしやからのうのうとやってけるやろうけど。世の中そんな甘くないぞ。」
「お前に何が出来るんや。お金稼げへんやろ。」
「どうせなんも考えてへんねやろ!」
とか、ガツンと言われましたね。
しかも、おっしゃるとおりなんですよ笑
2年間くらいIROHAで活動してたと言っても、現地に渡航出来るのは夏休み春休みに数回行く程度で、主なフィールドは日本。
英語を話せるわけでもないし、現地における事業開発スキルがあるわけでもない。
休学や留学をするはっきりした理由もそのときは持ち合わせてなかった。
あるのは「ようわからへんけどやりたい!」というナゾの熱量だけ笑
この気持ちだけが確かでした。
なので、おとんの言うことは頭では正しいと思いながらも、「違うねん!行きたいねん!」とただただ貫きました。
今考えると、何が違うねん、って話ですけど笑
パワポで資料を使って話してみることもありましたし、夜飯の後、3時間くらい延々と話すことも1回ではなかったですね。
目的と熱意の源泉
-何が決め手となりましたか?
「何を目的に」「どこに」「どれくらい」「何をしにいくのか?」を熱量を持って伝えられるか。
後から振り返れば、ですけど、これらを自分の中で整理することが重要だったのだと思います。
特に、「目的」と、熱量の元になる「熱意の源泉」でしょうか。
国際協力を仕事にするって言っておきながら、実際何してるのか知らない笑
だから、JICAで働いてる人、NGOで働いてる社会人、自分と同じような将来ビジョンを持っている友人含め、インタビューのような形で10人以上に話しを聞きにいってみました。
一番は直接会うということだと思って、ほかにもグローバルフェスタ(日本最大級の国際協力イベント。数百規模のNGO機関がブース出展。)とかも行った。
「国際協力」だけじゃなくて、「ソーシャルビジネス」という自分が興味惹かれるキーワードも新しく知れたし、何よりリアルな話しを聞けたのが良かった。
元JICA職員の方、「やりがいはある。ただ、政府のお金を使うのもあって、ほんまに自分が行きたいところで活動できひん」
とあるNGOの方のお話の中で、「寄付での資金調達が非常に難しい。待遇も良いわけでは決してなく、お金のことがどうしても切り離せない。事業のことだけシンプルに考えられないジレンマがある。」
「思ってたのと違う!」と思いました。
すべてが上手くいっていて、夢を追い続けてるキラキラしてる存在だったんですけど、そうではなくて、そこには人間らしい悩みがありました。
葛藤を抱えつつ、もがきながら仕事を全うされようとしてる姿。
なので、もっと知りたい。もっと国際協力の現場を知って、それでも自分はやりたいと思えるのか?
それを確かめに行きたいという思いが確信に変わっていきました。
こういったことを通じて、以下のように整理でき、親にも上手く伝えられたかと思います。
目的:「将来国際協力でやっていきたい」というキャリア仮説を検証すること
何をするか:「英語を話せるようになること」「NGOの現場を知る」を目標とした留学
どこへ:フィリピン
どれくらい:半年~1年
-その熱意のこもった国際協力は、いつから興味を持つように?
高校の修学旅行がタイだったんですけど、そこでの経験がきっかけです。
シドニー、バンクーバー、タスマニア、タイから選べたんですけど、国際協力なんて全く興味のなかった、そもそも概念すら知らかった僕は、先進国で楽しく遊びたおすつもりでしかなかったんですね笑
なので、当然シドニーかバンクーバーを希望してましたが、定員がいっぱいで抽選になったんです。
お察しの通り、ここで引いたのがまさかのタイ。
「マジか!」と叫んだのをとても良く覚えています笑
でも、これが結果的には良かった。
タイではただの観光ではなくて、「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」というビジョンを掲げる国際機関であるハビタットの活動に参加するプログラムが含まれていました。
何をしたかというと、「危険にさらされている家庭に、安全で安心出来る家を建てる」という肉体労働。
でも、家を建てるっていう単純作業を通して、出来た時すげー喜んでもらえた。
「こんな自分でも人の役に立てるんだ」という気づき。
これをきっかけとして、大学ではIROHAの活動にかじりつきになり、将来も見据えていくようになっていきました。
やりたいこと絞るための時間とリソース
-実際休学してどうでしたか?
この休学期間がなかったら、後悔する人生を歩んでたと思います。
「英語を話せるようになること」「NGOの現場を知ること」がざっくりとした休学の目的だったわけですが、それにぴったりだったPALETTE SCHOOLに留学を決めました。
まず、肝心の英語力ですが、そもそも僕は国際協力で生きていきたいと豪語しておきながら、昔っから英語がめちゃめちゃ苦手で、TOEICは420点しかなかったんです。
高校のときも、進学に英語テストがあったんですけど、それもクラスで一番遅かったですし。
それが結果的にですけど、日本帰国後腕試し程度にTOEICを受けてみたら720点。
もともとTOEICの向上が目的ではなかったのもあって、驚きでしたね。
親も納得してました笑
「NGOの現場を知る」の方ですけど、そもそも運営団体がNGOの語学学校って、まぁないじゃないですか笑
英語以外にも、スラムへのスタディツアーを実施していたり、運営団体PALETTEの就労支援事業やGK Enchanted Farmのソーシャルビジネスの現場を間近で見られる。
僕にとって良いなと思ったのが、支援事業をやってるPALETTEのスタッフさんとの距離がものすごく近い。
授業終わった後話してるときに、運営の話を日常的に自然に聞けたりするんですね。これがすごいリアルで。
自分と同じように国際協力で生きていきたいと考えて、いくつも一般企業の内定をお断りしてPALETTEに就職を選んだ方もいて、留学中に人生相談出来るとは思ってなかったです笑
みんな垣根を超えて話しをしてくれる「お客さんと生徒」の関係を超越した環境が、とても良かったです。
GK Farmのソーシャルビジネスのお手伝いとして、プロモーションムービーのアシスタントみたいなのも関わらせてもらったんですけど、「こんなんもっとやっていっていいよ」と背中を押してくれる。他の生徒さんと一緒になって、色々とトライすることができました。
ヨーロッパの大学と提携していて、欧米人インターンがゴロゴロいて、日本人だけでなくフランス人やドイツ人のソーシャルビジネスや国際協力に対する考え方も知れるのも、とても刺激的でした。
とにかく、思考する時間とトライ出来るリソースが豊富で、今後の自分の在り方を絞っていくための機会として、とても有意義な時間が過ごせたかと思います。
子どもたちに人生が変わるきっかけを
-今後の展望を教えてください
ご縁があって、株式会社ボーダレス・ジャパンに入社します。
「ソーシャルビジネスで世界を変える」と掲げ、ソーシャルビジネスしかやらない会社です。
これでもかというくらい社員の持つアイデアを尊重してくれ、それを活かせる機会を提供していただけることがとても魅力的でした。
その1つとして社内ベンチャー制度のようなものがあるのですが、同じく入社が決まっている同期に廣瀬という友人と一緒に、この制度を活用し新規事業を立ち上げようとチャレンジしています。
途上国のリアルを伝えるムービーを現場主義で作成し、日本の各種教育機関と提携してスケールする仕組みを事業化したいと考えています。
ちょうどつい最近は、アフリカのウガンダとルワンダに出向いていました。
目的は、教育機関での訪問授業の際に使用する動画を撮影するためです。
貧困層の家庭や生活の様子、インタビューなどをして社会問題を学ぶきっかけの動画にしたいと考えています。
最終的には私たちの訪問授業やメディア、サービスなどによって多くの若者の社会問題や国際協力のきっかけをつくり、未来の日本の日常に社会貢献を根付かせることが目標です。
自分自身、まーったく想定していなかったタイでの経験から、国際協力への関心に火がついたわけなんですが、「ほんとに些細なことで人生は変わる」ということが自分の中で大きい。
これからの未来を創る子どもたちに「ほんの些細なきっかけ」を、自分の国際協力というフィールドを用いて提供することが出来たら、自分一人では変えられないことも、どんどん変わっていくんじゃないか、そう思ってワクワクしています。
この先も、自分がやりたいと思っていることを、胸を張って仕事にしていきたいと思っています。
-最後に、休学や留学を検討している方へメッセージをお願いします!
ちょっとでも、ほんのちょっとでもやりたいと思って悩んでるならやったほうがいい。
自分も不安やったんですよ。
親にもがつんと言われて、猛反対されて笑
けど、やってみないとわかんない。
サッカーもやってますけど、ボール蹴ってみて楽しいから好きになる。
国際協力もおんなじで、小さな関心ごとから、実際にやってみたからもっと好きになった。
悩むのって、関心をもってる証拠なんだと思います。
もし関心がないなら悩まない。
不安なんか山ほどある。誰でもある。
ただ、やるかやらないかで差がでる。
やらない人が圧倒的に多い。
だとしたら、一歩踏み出したら勝ちじゃないですか。
だから実行すること、これがとても大事だと思います。
まとめ
藤田くんとは、休学検討時から相談に乗らせてもらっていたのですが、顔つきやオーラのようなものが休学前のそれとは大きく異なっていたことに驚きました。
「後悔のないように、自分がやりたいことに勇気を持つ」というスタンスには変わりないですが、以前それが正しいのか正しくないのかおぼろげだったものが、今回の休学と留学を通して、「間違っていなかった」と確信を持てたことが大きかったのではないかと勝手ながら感じました。
藤田くんの言うように「迷いや不安はあるけど、思い切って選択する」ことが、重要だったのかもしれません。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row][vc_row css=”.vc_custom_1530692311791{margin-top: 30px !important;}”][vc_column][vc_raw_html]JTNDY2VudGVyJTNFJTNDaDglM0UlRTclOTUlOTklRTUlQUQlQTYlQzMlOTclRTUlOUIlQkQlRTklOUElOUIlRTUlOEQlOTQlRTUlOEElOUIlRTMlODIlQUQlRTMlODMlQTMlRTMlODMlQjMlRTMlODMlOTclM0MlMkZiciUzRSVFNSVBRSU5RiVFNiU5NiVCRCVFNCVCOCVBRCVFRiVCQyU4MSUzQyUyRmg4JTNFJTNDJTJGY2VudGVyJTNF[/vc_raw_html][vc_column_text]

