こんにちは。NPO法人PALETTEスタッフの山下です。
近年、「海外インターン」は大学生の間でも流行になっています。
しかし、
名前の響きなどから、
なんとなくカッコいい!
意識高い系がすることでしょ!?
というイメージばかりが先行して、実態をあまり知らない人がほとんどです。
海外インターンに挑戦したいと思っている方の中にも、
「やりたいことが曖昧で、何を目的に海外インターンをするのか自分でもわからない」
「一体、皆はどんな目的で海外インターンをしてるんだろう?」
と不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
私は海外インターン先の一つ(フィリピンのNGO 兼 語学学校)として、数々のインターン生を見てきました。
その経験から、代表的な海外インターンの目的を3つご紹介したいと思います。
ご自身の目的と照らし合わせながら、お読みください。
また最後のパートでは、まだ目的がはっきりしていない方向けに、迷ったときに自分へ問うべき魔法の質問をご紹介します。
これは私自身が休学中に、銀行とコンサルティングファームにて2度の海外インターンをした経験から生み出したものです。
有意義な海外インターンへの、最初のステップとしてぜひ活用してもらえると嬉しいです!
海外インターンとは?
海外インターンとは、文字通り「海外」で行う「インターンシップ」です。
主に大学生が、海外の組織で実際に職業体験することを言います。
インターン先はさまざまで、海外にある日系企業・外資系企業・ローカル企業・NGO・政府機関などがあります。
渡航先の国も、
・アメリカやカナダ、ヨーロッパなどの欧米諸国
・インド、フィリピン、アフリカなどの経済的に発展途上な国
など多岐にわたります。
期間も人によってそれぞれですが、基本的には2ヶ月〜半年ほどの期間を選択される学生がほとんどです。
なんで目的が必要なの?
そもそも海外インターンに、目的は必要なのでしょうか?
多くの海外インターン生を見てきた経験からお伝えすると、「目的」は必ず持っておいた方がよいです。
なぜなら海外インターン中は、目的を見失う可能性が非常に高いからです。
「目の前のタスクに追われている内に、なんのために働いているのか分からなくなった…」
となってしまうインターン生も珍しくありません。
慣れない国や地域に飛び込み、新しい組織に入り、社会人と同様にフルタイムで働く。
というのは、やはり大変なことです。
そのような異なる環境に行くと、出発前に日本で抱いていた思いをだんだん忘れてしまったり、諦めてしまいます。
なので、「海外インターンに挑戦した目的」を常に意識し、立ち戻れる軸をもつことが大切なのです。
海外インターン全体の目的を意識することで、目の前の仕事を「タスク」ではなく「目標」と関連させて取り組むことができます。
しかし、「目的は明確であればある程よいのか」というと、そうゆう訳でもありません。
なぜなら海外インターンでは、事前にすべてを予測することが難しいからです。大学のサークル紹介で気に入ったサークルに入ったけど、思っていたのと違った、ということがよく起こるのと同じです。
どれだけ準備や聞き込みをしても、思い描いていた活動と実際の活動・環境が違うということもしばしば起こります。
いい意味でも悪い意味でも、予想と異なるようになる場合が多いのです。
そんな予期できない状況の中で、明確すぎる目的を持ってしまうと次第に焦りがつのってきます。
海外インターン中に、「自分が決めた目的を全うできていない」というプレッシャーに縛られてしまうのです。
焦りやプレッシャーは、海外インターンという挑戦・経験のすべてを台無しにしてしまうリスクがあります。
なので海外インターンでは、目的の軸を持ちながらも、その軸に縛られないよう気をつけましょう。
逆に、自分が予期していなかった成長経験をたくさん得られるのも海外インターンの魅力なので、それを満喫する心の余裕を持つことが大切です。思いがけない経験や自分の成長を楽しむ余裕を持って、海外インターンにチャレンジしましょう!
代表的な海外インターンの目的3つ
「海外インターンに挑戦したいけど、自分の目的ってなんだろう?」
と迷っている方も多いと思います。
そこで、
文京学院大学における海外インターンに関する42名へのアンケート結果と、私自身が関わってきたインターン生からのヒアリングを参考に、代表的な目的3つをご紹介します。
参照:文系大学での海外インターンシップの意義・効果についての考察
いま持つ思いと照らし合わせ、自分はどれに近いか考えてみてください。
もちろん複数の目的を持っていても大丈夫です。
また、ここでご紹介する目的に当てはまらない人も、それはユニークでよいことなので、ご安心ください。
目的1.語学力の向上
海外インターンのもっともメジャーな目的は、なんといっても語学力の向上です。
この目的は国内インターンと海外インターンを明確に分ける要素でもあります。
基本的に、日常会話程度の簡単な英語を話せる人が、仕事で使える英語力の習得を目指して海外インターンをする場合の目的です
。
インターン先の企業や部署・役割にもよるのですが、海外インターンでは、ビジネスレベルでの英語力を求められる所もあります。
この目的が達成できるかは、働く環境に大きく左右されますが、英語を使って働く経験はあなたの英語力を次なるレベルへと導いてくれます。
海外インターンで、英語力を効果的に伸ばしたい!という方は、こちらの記事もオススメです。
関連記事:7つのしくじりから学ぶ!海外インターンで英語力を最大限伸ばす方法
目的2.海外で働くという経験の獲得
「海外で将来働いてみたい」と考えている方が、その体験として海外インターンに挑戦するケースがこれです。
「漠然と将来は海外に駐在してみたい!と考えてはいるけど、実際はどんな感じなんだろう?」
そんな疑問の解消につながると思います。
海外のビジネスマナーやカルチャーは、日本と違うこともたくさんあります。
例えば、日本では名刺交換が重要視されますが、海外のビジネスシーンではそれほど重要とされていないことなどがあります。
海外インターン生には、そのような海外のビジネス環境に柔軟に対応できる能力を身につけることを目指している人が多いです。
ただしこの目的には、注意が必要です。
少しの期間働いただけで、「あぁ、海外で働くってこんな感じか!」とすべてを分かったように勘違いしてしまう可能性があります。
私も海外インターンを経験して、現在も海外で働いていますが、実際に社会人になってから初めてわかったこともすごく多いです。
そのため「短期間の海外インターンでわかることは限られている」、という前提を忘れないようにしましょう。
目的3.職業の適性を測る
これは、目的2. 海外で働くという経験の獲得よりも明確で、特定の職業が自分自身にマッチしているかを見極めたい場合です。
私の場合もそうなのですが、海外のNGOでのインターンなど、日本にはない企業や事業でインターンする場合が多いです。
私はこの目的を持ち、「海外で憧れの職業があるけれど、実際自分に合っているのかな?」という疑問を解消しました。
この目的の達成にはある程度時間がかかります。なので、1つの組織につき目安として2ヶ月以上は所属することをオススメします。
人にもよりますが、
・新しい生活環境に慣れるのに2週間
・仕事を覚えて、主体的に取り組めるようになるのに1ヶ月半
はかかるケースが多いからです。
また職業自体ではなく、所属したその組織の文化がたまたま合わない場合もあるので、できれば複数の組織でのインターンを経験するとなおよいでしょう。
そうすることで、その職場・組織への適性ではなく、職業自体への適性を測ることができます。
目的に迷った時の魔法の質問
代表的な海外インターンの目的を3つご紹介しました。
あなたの目的に近いものは見つかりましたでしょうか?
「どれも当てはまる気がするけど、やっぱりはっきり分からない」
という方もご安心ください!
みんなの型に、自分の目的を当てはめる必要はまったくありません。
これから、自分自身の目的を見つける魔法の質問を2つ紹介します。
これらの質問について考えるだけで、海外インターンの目的がだんだん見えてきます。
質問1:きっかけ(過去)
海外インターンをしたいと思ったのはどうしてですか?
質問2:目標(将来)
海外インターン終了後の理想の姿はどのようなものですか?(あなた自身がどのような状態であれば、そのインターンは成功と言えるでしょうか?)
質問自体がかなり漠然としていますが、大丈夫です。
これらの質問に対しての自分の答えに、「それはなんで?」と答えられなくなるまで問い続けましょう。
質問2で、「英語で問題なくコミュニケーションを取れるようになる」とまず答えたとします。
それはなんで?
→「世界中の人ともっと深い話ができるようになりたいから」
それはなんで?
→「日本人からは得られない知見を得たいから」
それはなんで?
→「将来グローバルな事業を立ち上げたいから」
それはなんで?
→「人生をかけて何かに打ち込み続けたいから」
それはなんで?
・・・
このように、「それはなんで?」と自分に聞き続けることにより、自分が大切にしている価値観を表した色々なキーワードが見えてきます。
それらのキーワードを参考にして、海外インターンに挑戦する目的を設定してみましょう。
また、質問1と2で出てくるキーワードが重なってしまっても構いません。
重なったキーワードは、今の自分が大事にしている価値観である可能性が高いです。
このワークに取り組むことで、今迷ってる方も自分自身の本当の目的に近づけると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、「代表的な海外インターンの目的3つ」とまだ目的がはっきりしていない方向けに「迷ったときに自分へ問うべき魔法の質問」をご紹介しました。
海外インターンの目的で大切なことをまとめると、
・海外インターン中の軸として、目的は必ず持った方がいい!
・明確すぎる目的に縛られず、予期せぬ成長も楽しめる柔軟性を!
・2つの質問を深掘りして、自分自身の本当の目的を見つけてみる!
となります。
この記事が、皆さんの海外インターンの目的を見つけることに役立っていれば嬉しく思います。
ぜひ、海外インターンでかけがえのない経験と成長へ挑戦してみてください!