「大学生活4年間は短すぎるから休学を考えている。」
「このままだと就職できるか不安だから、休学して経験を積もうか悩んでいる。」
「大学に意味を感じない。休学しようか退学しようか悩んでいる。」
休学に迷っている人はこのような悩みを抱えているのではないでしょうか。僕自身も学生時代、悩める休学検討者の一人でした。
そんな経験から休学で悩んでいる人をサポートしたいと思い、7人の経験者にご協力頂き、休学のメリットとデメリットをすべて出してみました。
留学や海外・国内のインターンなど、さまざまな休学をした経験者の意見を参考に、自身で休学するかどうかを選択してみてください。
休学のメリット3つ
大学を休学することで就職やこれからの将来にどのようなメリットが得られるのかについて3つに分けてまとめました。
1.将来に向けて自分を見つめ直すきっかけになる
大学3年生になり、将来やりたい事がないまま就職活動してしまうと以下のような問題が起きます。
・将来やりたいことが明確じゃない
・志望動機に軸がなく、就職活動がうまくいかない
・就職できても自分にマッチしておらず、早期退職してしまう
このような問題が起きないように、自分自身を見つめ直すきっかけとして大学で休学を選択する人が増えています。
国内外でインターンをしたり、ボランティアをしたり、社会と関わる中で本当に自分がしたい事を認識するためです。
例えば、あなたが営業職のインターンをしてみて、
「飛び込み営業が嫌いだ」と気づけたり、
WEBでのマーケティングをして
「ブログやSNSのコンテンツ作りが楽しい」と気付けたりします。
このように休学中に色んなことに挑戦することで、自分の興味などを客観的に知ることができます。
では、大学時代休学していた人の声を聞いてみましょう。
水田夏実さん
(3年生終了後4月〜/ アメリカでビジネス留学・広告代理店インターン6ヶ月/フィリピン社会起業インターン5ヶ月)
「大学時代興味を持っていたマーケティングや、社会問題に取り組める企業に飛び込んでみました。
インターン中は改めて本当は自分が何をしたいのかと日記などを使って内省する時間を作りました。そのおかげで将来働きたい業種や職種を絞ることができました。」
伊沢早未さん
(3年生終了後4月〜/フィリピン留学4ヶ月・語学学校マーケティングインターン5ヶ月)
「就活前に自分がしたいことが全く分かりませんでした。一度何かに挑戦をして、自分についてもっと知りたいと思い、休学を決意しました。
大学を離れた新しい環境では多くの気づきがありました。
例えば、WEBページを分析して新しいコンテンツ案を考える事が好きだったり、広告のバナーのデザインをするのが楽しかったり、今まで気付けなかった自分の興味について知ることができました。」
このように先輩たちは休学中に社会で様々な経験をすることで自分のやりたいことを見つけています。
社会との関わりの中で、自分を知る。休学の一番大きなメリットと言えます。
2.大学では会えない人と繋がれる
休学をすることで普段大学では出会えない人たちと繋がれるというメリットがあります。
・休学している変わった同世代の大学生
・企業の社長や社員さん
・海外で働いている日本人や現地人など
実際に休学経験者の人はこんな人たちと繋がって、価値観を変えています。
水城美冠さん
(3年生終了後4月〜/東京のIT企業インターン12ヶ月)
「企業にいて、自分よりはるかに人生経験の豊富な方と関わり、いろんな生き方や働き方を知ることができました。
例えば子供がいてもパワフルに働くママさんがいて、母として生きるだけの人生を選択しなくてもいいんだと知れたり、女性でシングルの方とかもみなさん楽しそうに、仕事と自分に対して時間とお金を投資している生き方を知ったりしました。
社会が女性に対して考える規範みたいなものにおいて縛られなくていいと思えるようになりました。」
磯部 和弥(筆者)
(3年生終了後4月〜/カナダ・タイ・フィリピンの社会企業・コンサル企業で計1年間インターン)
「休学中に、マーケティングを学び自分でビジネスをしたいと考えている社会人やアメリカを横断しSNSでフォロワーを増やしてイベントを開こうとしている同世代の学生に出会いました。
普通に大学に通っているだけでは会えなかった面白い人たちと繋がることができ、生き方の多様性を学びました。
自分の人生だからやりたいことをやって良いんだと気づき、周りに流されず自分のやりたいことを貫けるようになりました。
現在は日本で就活することを辞め、昔からの夢だった海外でのワークライフを楽しんでいます。」
このように休学中の出会いの中から新たな価値観を知り、それが自分の将来の生き方に影響を与えたというという人が多数いました。
学生ならビジネス上での利害関係がないだけに、勇気を出したら意外と色んな人が会ってくれます。
休学中は積極的に業界で活躍している人に会いに行ってみてもいいかもしれませんね。
3.大学では得られなかったスキルが身につく
休学中は大学の授業やバイトなどから離れられるため、時間をたくさん確保できます。その分自由なだけに、自分でやることを決めて行動しなければ、ただの無駄な時間に終わってしまいます。
しかし、休学中やりたいことを決め、それに向かっていれば大学では得られなかったスキルを身につけることができます。
経験者の人は休学を通して、こんなスキルを身につけています。
黒畑嘉夫さん
(2年生終了後4月〜/ベトナム日本語学校インターン1年間)
「最初行ったばかりのときは仕事も何もできなかったし、しかも頼れる人もいなかったのが結構しんどかったです。
しかし、仕事に対する姿勢を変え、どんな事でも積極的に取り組んだ結果、自然と日本人・ベトナム人両方に信頼されるようになってどんどん仕事が楽しくなっていきました。
働くなかで苦しい状況に置かれても、1年間インターンでやり抜いたことが自分の支えになって自信にもつながっています。この経験によって今の物事をやり抜く力をつけたと思います。」
このように就職活動で話せるスキルを身につけられることは休学のメリットの1つと言えますね。
休学のメリットまとめ
1.将来に向けて自分を見つめ直すきっかけになる
2.大学では会えない人と繋がれる
3.大学では得られなかったスキルが身につく
休学のデメリット3つ
ここまで休学するメリットばかり書いてきましたが、もちろんデメリットもあります。
以下3つのデメリットをあげてみたので、それらを踏まえた上で休学するか検討してみてください。
1.社会人になるタイミングが遅れる
休学により就職のタイミングが遅れるため、社会人としての経験や給料などが1年分少なくなるというデメリットを休学経験者数人があげていました。
山下星夢さん
(3年生終了後4月〜アフリカ/バングラディッシュ社会起業インターン4ヶ月)
「休学の最も大きいデメリットは、社会人になるのが1年遅れてしまうことだと思います。
卒業し働き始めてから感じたことですが、社会人になってからこそ学べることや得られることはたくさんあります。
学生の時は実感しにくいのですが、経験やお金など社会人として多くのモノを獲得できる時期が遅れるのは、休学におけるデメリットだと思います。」
砂塚翔太さん
(3年生終了後4月〜フィリピンNGOインターン1年 / 東京コンサル企業1年)
「休学でインターンしてビジネススキルが効率良く身に着くのかと言われると(インターン先にもよりますが)そんなことはないと思います。
周りの人を見ていても、新卒で入社した人のほうがスキルの伸びは大きいような気がします。
お金をしっかりかけてもらってお給料もらうプレッシャーの中のほうが、成長速度は速いと思います。
今すぐやらないと気が収まらないことがある人や、やりたいことを見つけたい人には休学はおすすめですが、ビジネススキルを身に着けるために休学するみたいなのはあまり効果的ではないと思います。」
休学中は自分のやりたいことができますが、同期のように社会人としての経験や給与は1年分獲得できません。休学前には必ず押さえておきたいデメリットですね。
2.何もしないと就職活動に不利に働く可能性がある
休学中目的なく過ごしたり、何もしないでいたりすると、就職活動の時に不利に働いてしまうので要注意です。
経験者の方々も面接では必ず休学期間中のことについて聞かれていました。
黒畑嘉夫さん
(2年生終了後4月〜ベトナム 日本語学校インターン1年)
「面接時には休学理由と活動内容について必ず質問されます。その時に休学に目的を持っていなかったり、何をしたかを答えられなかったりすると就職活動で不利に働きます。
逆に休学中に頑張った経験を伝えられれば、他の学生との差別化に繋がり、有利にもなります。」
就職活動において休学中の内容は必ず聞かれるので、以下のの項目を週に1度はノートに整理しながら過ごすことをオススメします。実際に僕自身がやっていた就活必勝法です。
<毎日3つだけ日記に>
・日々何ができなくて悔しかったか
・乗り越えるためにどのように考えて行動したか
・その結果どうなり、何を学んだか
就職活動時に自信を持って面接に挑めるよう、思考と行動を整理しながら休学に挑んでください。何も考えずに過ごしていると、就活の時に大変な思いをします。
それでも休学して就職活動は大丈夫なの?と思った人はこちらも合わせてお読みください。
関連記事:休学の理由はこれで大丈夫! 就活への影響と大学申請のコツ
3.復学後大学に友達がいなくて寂しい
休学すると年下の学生と一緒に大学生活を送ることになります。復学後、孤独を感じる人も一定数いるようです。
伊沢早未さん
(3年生終了後4月〜/フィリピン留学4ヶ月・語学学校マーケティングインターン5ヶ月)
「大学4年次で休学したので、同学年の友達は卒業してしまいました。登校日も少ないのですが、やはりゼミの時間など寂しく感じます。
私の大学では休学する人がほとんどいないため、復学後休学仲間もおらず孤独でした。」
復学後の孤独は必ずつきまといます。筆者の場合はサークルを立ち上げたり新しいコミュニティーに参加したりして、自分の居場所を作り、孤独をしのいでいました。
寂しがり屋さんの人は事前に検討しておくべきデメリットと言えます。
休学のデメリットまとめ
1.社会人になるタイミングが遅れる
2.何もしないと就職活動に不利に働く可能性がある
3.復学後大学に友達がいなくて寂しい
休学に悩んでいるあなたへ!経験者からのメッセージ
最後に休学を経験された先輩たちからメッセージを集めたので、紹介させていただきます。
休学中に勢力的に活動されていた方々ばかりなので、ぜひ今後の活動の参考にして見てください。
水城美冠さん
なんのために休学をするのかを熟考すべきです。目的を持って休学に臨みましょう!
黒畑嘉夫さん
チャレンジをするかしないかで悩んだときは、「する」を選択した方が絶対にいいです。
水田夏実さん
休学すると決めたら、休学終了時の自分の姿をぼんやりとでも思い浮かべておくと、それに向けてすべきことが分かるので、充実した休学生活を送れると思います。
伊沢早未さん
お金に問題もなくご両親も賛成してくれるなら、将来のことや自分自身についてゆっくり考える時間にしてもいいと思います。
自分の感情ややりがいを感じる事をこまめにメモしたりしておくと、有意義な時間になると思います。
山下星夢さん
休学に限らず、何においてもメリットとデメリットの両方があります。その両方を理解した上で、休学を決めると良いと思います。
そうすれば、より納得のいく1年間(または半年間)を過ごすことができると思います。そして、一歩踏み出したら、自分にとっての休学目的を大切にして走り切ってみてください!
砂塚翔太さん
半年以上の休学になると、よっぽど覚悟と自制心がある人でないとどうしても中だるみしてしまうと思います。
ビジネススキルなどももちろんですが、長い期間ひとつのことに取り組んだときにぶつかる困難から自分の内面や価値観について掘り下げることができるのが休学の良さだと思います。
休学のメリットデメリット両方を知った上で臨んでください。
有馬めぐみさん
休学期間を生かすも殺すもすべて自分次第です。でも、社会人になってからでは中々まとまった時間はとれません。なので、休学してやりたいことがあるならぜひ挑戦してみましょう!
協力して頂いた7名の他にも、匿名ですが以下4名の方からメッセージを送っていただきました「悩んじゃうぐらい中途半端な気持ちで休学してもたぶんダラダラしちゃうので、もし悩んでるなら休学しない方がいいです。」
「焦って一年早く社会に出る必要性ないと思います!人生長いんで一年でも二年でも休学して、何かやりたいこと見つかったら卒業すれば良いと思います。」
「自分の人生は自分で決めましょう。ただ休学することによって得られるメリットはデメリットよりはるかに大きいのではないかと思っています。
1年間で残りの人生を大きくドライブすることができると考えたら安い投資なのではないでしょうか!」
「自分の人生は自分以外の誰のものでもありません。自分のペースで自分でコースを選んで歩んでゆけばいいと僕は思います。」休学するのってとても勇気がいりますよね。大きな選択だからこそ「自分で選択する」という意識を持って挑戦してください。そうする事で後悔なく過ごすことができると思います。
人生を決めるのはあなたです。他の誰でもありません。
最後に休学のメリットとデメリットをまとめて終わりたいと思います!
まとめ
休学のメリット
・将来に向けて自身を見つめ直すきっかけになる
・大学では会えない人と繋がれる
・大学では得られなかったスキルが身につく
休学のデメリット
・社会人になるタイミングが遅れる
・何もしないと就職活動に不利に働く可能性がある
・復学後大学に友達がいなくて寂しい
休学は一長一短です。以上のメリットとデメリットを参考に休学するかどうかを検討して見てください。